日本刀の欠点について

残念ながら 日本刀が流派の正統性や歴史と伝統を重んじるものであることの裏返しとして 偽作 贋作 粗悪品の存在は否めない

後樋 後彫り
使用者の要望により 重量軽減措置のため代々受け継がれてきた名刀に後世 彫りが施されることは残念であるが しばしば実用上の要請により そのような事は行われてきたのである
また 所有者の信仰上の理由により 戦勝祈願の意を込めて 家宝の大刀に仏像や不動明王像が後彫りされた例もある
こういった理由からの後世彫りは 物によっては非常に鑑賞的価値が高く また最初からそこにある事が必然であったかのような存在感を放つことさえもある

これらやむを得ぬ事情とは別に 近世から現代にかけて 家宝の刀身の疵や錆や地肌の荒れを隠し誤魔化す目的を以てして彫りが施される事もある
これらは実用性の便や信仰上の理由とは異なるために あからさまに不自然な位置にその日本刀 本来の美観を損ねることさえも厭わず 施される場合も多い
そのような目的を以て施された後彫りが 却って美観を損ねる物が多くなるのは 当然の帰結である